JICA海外協力隊活動と仕事での改善活動に効く3冊

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ちょっと大きく出ましたが、JICA海外協力隊の派遣が再開され、また4月で異動などで新しい部署で頑張ろうとしている方が多い時期かと思います。

新しい環境に身を置いた際に、あなたの意見を聞かせてほしい、と言われて正直に言ったら反感を買った、という経験はないでしょうか?または組織を変えたいと思って新しい試みをやってみたもののうまくいかなかった、という経験はありませんか?恥ずかしながら私はあります。今日紹介したいのはそういう時にヒントになる本です。

『他者と働く』

職場などでああすればいいのに、このやり方を導入したら解決するのに、と思ったらこの本を読んでみてください。
この本ではまず、組織の問題を技術的問題と適応課題の2つに分けています。技術的問題は、やり方さえ分かれば解決する問題です。一方の適応課題は別の部署に所属しているなど当事者同士の関係性から生まれる問題のことです。ご想像の通り、適応課題の方が解決が難しいのですが、残念ながら組織の問題の多くはこの適応課題なんだそうです。そして、この適応課題は具体的には4つに分けられるそうです。

  • ギャップ型:大切にしている「価値観」と実際の「行動」にギャップが生じるケース。理想は共有できているけど、現実に追われてなかなか取り組めない。
  • 対立型:互いの「コミットメント」が対立するケース。営業と開発など組織の目標が異なっているため、対立してしまう。
  • 抑圧型:「言いにくいことを言わない」ケース。課長・部長などに言うと怒るから言えない。
  • 回避型:痛みや恐れを伴う本質的な問題を回避するために、逃げたり別の行動にすり替えたりするケース。
    著者はこのような適応課題を解決するために対話を提案しています。対話によって、当事者同士の関係性を変えることにより、問題の解決を目指すことを提唱しています。

筆者はこの対話の手順として以下のステップを推奨しています。
1.相手と自分の語りやその背景にずれがあることに気づく
2.相手の言動や状況を見聞きし、ずれのある箇所やずれている背景を探る
3.相手の背景や語りに自分との共通項を探す
4.行動を起こし、相手と新しい関係性を築く

『Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』

この本は新しい取組みについてのアイデアがあるけどどうやったらうまくいくか分からないというような方にお勧めです。この本では組織で変化をもたらすためにどんな取り組みができるか48のパターンを紹介しています。
あまり特別なものはないかもしれませんが、これを見ていると自分の引き出しにないものとかに気付けるのでパラパラ眺めてみるのはお勧めです。私が面白いなと思ったのは以下のアイデアです。

  • ブラウンバッグ・ミーティング:日常のランチタイムを、新しいアイデアを聞くための手軽で気軽な場として活用しよう。
  • 外部のお墨付き:新しいアイデアの信ぴょう性を上げるために、外部の情報を組織内に紹介しよう。
  • グループのアイデンティティ:変化のための活動にアイデンティティを与えるために、活動を特徴づける名前を掲げ、人々がその存在を認識できるようにしよう。
    こちらのブログエントリでより詳しくまとめたものがPDFでダウンロードできますので興味ある方はご覧ください。

『エンジニアリング組織論への招待』

この本はやや理論的ですが、新しい取組みするので事業とコミュニケーションについて理解したいという方にお勧めです。
著者はソフトウェア開発を行う組織の活動をエンジニアリング=曖昧さを減らし、具体性・明確さを増やす行為と筆者は定義しています。分かりやすく言うと、新しい土地に住むと最初は土地勘がないのが、色々と歩くうちにどこに何があるか分かるようになるようなものです。
もう少し詳しく説明します。新しい取組みをする場合はうまくいくかどうか分からないものです。この不確実性には2つの種類があります。1つはそもそもやろうとしていることが正しいのか分からない(環境不確実性)。もう1つは一緒にやる人にうまく伝わってやってくれるか分からない(通信不確実性)。
それぞれの不確実性への対応を説明します。

環境不確実性について

手元に情報がない場合、全く新しい取組みの場合は判断するための情報がありません。このため、仮説をもって行動してみて結果から学ぶのが有効になります。この時に、簡単に検証できるようにすると、大きな成果を目指して頑張ったけど道半ばで倒れる、という最悪の事態を避けられるのではないかと思います。

通信不確実性について

これはコミュニケーションによって改善します。具体的には、メンタリング、心理的安全性の構築によってコミュニケーションがスムーズにいくように心がけます。メンタリングについて本文を引用します。

問題が
・感情的に固執していて解けないので、「傾聴」をする
・客観視できずに解けないので「可視化」をする
・そもそも解けない問題なので前提を変える「 リフレーミング」 を する
というのが、メンタリングで意識すべき流れになります。

心理的安全性について

これは最近とても話題になっている言葉です。Googleが成果の出ているチームの特徴を調べるプロジェクトを行いました。その結果、チームの中で失敗が共有できる、他の人と違う意見を言っても良いといった関係性が構築されている、といった心理的安全性が重要であることが分かりました。これについてはGoogleのサイトでも紹介されているので興味ある方はそちらも合わせてご覧ください。でも紹介されているので興味ある方はそちらも合わせてご覧ください。

以上、3冊紹介させていただきました。新しい取組みは大変ですが本を手掛かりにきっかけがつかめると何よりです。他にお勧めあれば、弊社の代表メール、またはTwitterでリプライなどいただけるとありがたいです。