インドネシアとIT
インドネシアのプロジェクトに関わる社員より、現地のIT事情や体験など、少しご紹介したいと思います。
赴任してまず驚いたのはインドネシアの発展ぶりです。
最初に泊まったホテルから見えた高層ビル群。
勤務先の大学構内を自由に行き交うシェアサイクルや電動キックボード。
GojekやTokopedia、Travelokaといったユニコーン企業の多さ。
人口2.6憶人を抱え、平均年齢が31歳のこの国ではスタートアップも多く、
正直、日本より生活に浸透しているITが多い気がします。
E-CommerceならTokopedia、Shoppee、Bukalapak、オンライントラベルエージェンシーならTraveloka、Ticket.com、電子マネーならOVO、GoPay、LinkAjaなど枚挙にいとまがありません。電子マネーに至ってはスマホを持っている人なら誰でも一つ以上のアプリを使っています。
その中でもGojekを筆頭にしたMaaS(Mobility As A Servise)がすごいです。
Gojekは元々バイクタクシーの配車アプリでしたが、今では何でも届けてくれるマルチサービスアプリです。飲食のデリバリー、買い物代行、出張マッサージ、公共料金の支払いなどなどボタン一つでサービスが届いて、支払いも終わる。
インドネシア語を喋れない私には神アプリとしか言いようがありません。
それでも、雰囲気のある屋台や市場、定刻に来ないバスや電車は有り、東南アジア気分は十分に味わえます。さらにイスラム圏ならではの礼拝に配慮したスケジュール調整、お酒や豚肉などハラルを意識したレストラン選びなど、ある種のカルチャーショックも味わえます。
今はコロナ禍で、電車や屋台へのアクセスは悪いですが、オンライン授業やリモートワークなどIT化はさらに進んでいます。インターネットの利用率も平時の300~400%に上るそうです。
ただ、そこで重要となるのがセキュリティです。
ITUのGlobal Security Index2018では175か国中41位と高位のインドネシア。それでもまだ個人情報保護法やサイバーセキュリティ法は成立していません。登録した訳でもないのにSMSクーポンが届いたり、重要なデータがWhatsappで飛んできたり、IT利用は促進されていてもまだまだセキュリティに関する認識や技術が一般に広まっているとは言い難いように思います。
そんな中、まさに先月、日本のSoftbankも投資するE-Commerce大手のTokopediaが9,100万人以上の個人情報を流出させる事件が起きました。そのデータはダークウェブ上、5,000ドルで売られていたそうです。Tokopediaは監督省庁に呼び出され、消費者団体から訴えられ、、、大変な状況のようです。ユーザが今後どう対応していくのかは分かりませんが、少なくとも企業オーナーにとっては今後のIT投資、セキュリティ投資を考え直すきっかけとなりそうです。
私自身はサイバーセキュリティの人材育成に関わっているため、この機運に乗ってプロジェクトの実りを良くし、さらにインドネシアのIT、サイバーセキュリティが発展することを祈っています。